友人に誘われてアーノルド・ローベル展を見に美術館へ。
外の酷暑が嘘のような館内で
静かに絵本の世界に浸った。
少し暗めの色彩と意外とリアルな蛙の絵を
一度は目にした人も多いのではないだろうか。
がまくんとかえるくんが登場する
シリーズものはあまりに有名。
中でも「おてがみ」というお話は
小学校の教科書にも載っているという。
私は、作者のアーノルド・ローベルという人に何となく親しみを感じる。
大人たちの制約に囲まれて生きる子どもたちを解放するために
絵本を作りたいと思っていたというローベル。
美術館の解説より
「ローベルは、子どもたちにとって人生は牢獄だと言っています。
~中略~
だから、彼の絵本には子どもたちを説き伏せたり戒めたりする言葉は出てきません。
ローベルがもっとも大事にしたのは、道徳や成功譚ではなく、
真実を語ることでした。
人生には喜びもあれば悲しみもある。
うまくいくこともあれば、いかないこともある。
それをありのままお話にしました。
~中略~
ちょっぴりへんてこだけど、のびのびと我が道を行くキャラクターたちは
ありのままに生きることを恐れなくてもいいのだと気づかせてくれます。」
幼い頃から様々な困難を体験しながらも
自分らしさを大事にし
「I Am on My Way! ぼくは この みちを いくよ!」と言うローベル。
ありのままの自分でいることを恐れなくていい。
師が背中を押してくれたことを思い出す。
一歩踏み出せ、わたし。
美術館の静寂の中で
わたしは自分の背中を押していた。